2012/07/02

帰り道

10年も前から帰り道は変わらない
同じ景色が安堵感と共に迎えててくれる

ただ あの頃は
その道すがらに誰かが居て
今更に交わす挨拶も面倒で
無為に過ごす時間に明け暮れた

ホントの意味での生活を持ったガキは
変わらぬ帰り道で
見知った顔を見つける事も無く帰宅する

約束も用も無く 外に出れば
自然と集まった あの頃と同じ場所で
昨日と今日と明日の
自分と対話をしてる

それが日常になって
長い月日が過ぎ去った今日
久しぶりに唐突に
声をかけられた帰り道

ぎこちなく上げた視界に居たのは
あの頃と同じ笑顔に
あの頃には想像も付かない様な
逞しい顔付き

懐かしさに耽るほどの
年月が横たわっているのは
俺も彼も 重々 承知
その間のお互いのストーリーは
知る由も無いが
あの頃から そんな事気にしてないよな

あんな どうしようも無い様な奴だった
お前が
月並みではあるが
こうして元気にやってるって知れただけ
ほっとするよ
しかも 大人な顔になりやがって

束の間の時間に
胸躍った郷愁の様な感情は
あの頃とは違う帰り道
きっと明日はいつもと同じ
独りの帰り道

でも 何千 何万と
重ねて築いた
俺の帰り道
今日も遅くなります
ありがとう


ただ 一つ気になったのは
奴が言った
「お前は何も変わらねーな すぐ分かったわw」

おい マジかよ

TACさん でした